【読書】ロング・グッバイ(村上春樹訳版)を読んでみた
ロング・グッバイを読むきっかけ
最近のマイブームで、有名な作品を読むことに凝っています。
その第一弾として、「ロング・グッバイ」(レイモンド チャンドラー)を読んでみました。
この前友人に勧められ、「誰か」(宮部みゆき)を読んでみて、かなり面白かったので、「ハードボイルド探偵モノ」の原典となっている「フィリップ・マーロウ」ものを読んでみようと思い、チャレンジしました。
あらすじ
私立探偵であるマーロウは、ある夜、高級クラブの駐車場で一人の酔っ払い(テリー・レノックス)を助けます。
そこから彼とマーロウの奇妙な交流がはじまり、徐々に彼にまつわる問題に巻き込まれていき、事件に巻き込まれて、流されていきます。
感想
初めてチャンドラーの作品を読んだのですが、事件の有様やマーロウの心情が、淡々とした文体で綴られていくところに最初はなじめず、初回の読破には1ヶ月くらいかかりました(忙しかったのもありますが)。
その際の感想は、「話自体は非常に面白いけれど、淡々としすぎていて、起伏がない話だなぁ」というところでした。
しかし、2回目に読みかえした時には、だいぶ印象が変わりました。
淡々とした文体であるからこそ、登場人物たちの信念や心情が、一貫して行動に反映された形で描写されていることが、作品に活かされているのだと気づきました。
エンターテインメント系の探偵小説にあるような、派手な推理や謎解きはありませんが、人間の心理がみごとに描写されている作品です。
余談
村上春樹さんが訳されているのですが、訳者あとがきが、まるでエッセイのようになっています。作品の世界観の解説や、翻訳に関するお考え、受けた影響など、とても興味深い内容です。
「訳文だけど村上春樹っぽいなぁ。やはり訳者の感性が翻訳にも反映されれるのかな。」と思って読んでいたら、あとがきの中で影響を受けたと書かれていたので、「それでか」と納得しました。
暫く、そのままマーロウの登場作品を継続して読んでいこうかなと思います。
読み終わるまでの間で、私の好きな作者さんなどもご紹介していきます。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。